2018年1月9日火曜日

ラノベ感想 すかぢ 幼女さまとゼロ級守護者さま[Ⅰ]

すかぢ先生のラノベデビュー作、幼女さまとゼロ級守護者さまを読んだので感想を。
あのすかぢ先生がラノベを、ということで購入。
ド頭からウィトゲンシュタインの引用でファンはニヤリ。でもあとがきで書かれている通り、本編とはあまり関連はありません。
作者のグロいゲームの印象で尻込みする方はご安心を。難解でもないし、割とあっさり楽しく読めます。

ネタバレしっかりなので、ご注意を。


物語は十三血流という世界を裏から操る異能者の家系が、「天球儀の迷宮」という異世界で戦う、というもの。
遺伝子操作ありの世界で富裕層が競って我が子をデザイナーベビーとして設計する中、全く遺伝的な有為性を持たない遺伝的ゼロ級適性者である主人公が最強の能力と頭脳で敵と戦う、というある種使い古された設定でありながら、ゲーム的な改行を用いた独特の軽さを持つ文体と物語に沿って設計されたキャラクタ、魔術とタロットへの造詣の深さとそれを基に作られた膨大な設定の数々のおかげで、非凡で完成度の高い設定の王道ラノベとなっています。

全体を通してある一つのトリックが敷かれており、タイトルがネタバレになっているパターン。トリック自体は割とネタの振りが効いていてわかりやすく、分かった上でも支障なく「何故そうしたのか」でしっかり物語を魅せる辺りはお見事。
ちょっとトリックのために咲野と祁答院の二人が馬鹿すぎた気もする。この世界感であのランクでミノタウロスの神話を良く知らないってどうやって生き残って来たんだ。
巨大な物語の顔みせ、といった1巻で、膨大な設定が覗き見えるものの、今回はタイトルの二人の紹介といった感じ。
物語的にも一つのトリックに終始していて少し物足りなかった。続刊前提というか。
あとがきにある通り「こんな変な作品もあるのか」という作品で、大変満足でした。
是非とも続刊を願いたいところ。
おすすめ。
以上。