シリーズの各感想は3巻こちら、1巻こちら。
ヒデオに捕らえられたヒマワリへ、4年振りの邂逅を果たしたミサキ・カグヤの口から衝撃の事実が語られる。 「嘘です……、そんなのっ……!」泣き じゃくるヒマワリが知った真実とは果たして如何なるものだったのか? 世界が間違っていると怨嗟し、それでも勝負を挑んだ理由とは!? ミサキ・カグヤとヒマワリの運命が重なる時、 世界は新たな色に塗り替えられる。シリーズ最高潮――驚愕の急展開!!面白かった。
前回、その正体を暴かれ川村ヒデオに捕らえられたヒマワリ。前作レイセンから登場する謎の少女ミサキ・カグヤ少佐の口から、ヒマワリとカグヤの正体が語られます。
断片的に語られていた通り、人類が機械に敗北し滅んだ未来からの来訪者だった二人。二人の語る誰も知らない未来から来た二人が出会ったからこそ、やらなければならないことがあるという結論は、なかなか面白い結論でした。
ついに始まった第二回聖魔杯本戦に挑む二人の姿が、いかにも林トモアキって感じて楽しい。制服姿のカグヤのイラストがいいですね。あと、ヒマ姫という名称はなんとなくエルシアを思い出したり。
テロリズムと自身の役割に取りつかれたヒマワリは、林トモアキ作品に共通する大きな力とその向き合い方みたいなところではまだまだ成長の余地があるというか、彼女がこれから士郎たちと再会してどんな未来を選ぶのか楽しみなところ。
一方でヒマワリを失った士郎とアリスは、ヒマワリを取り戻すために動き出します。
その前に立ちはだかった勇者に加護を与えるエリーゼの圧倒的強さが光ってました。レイセンから続く、『お・り・が・み』『戦闘城塞マスラヲ』でインフレしきった世界のキャラたちの圧倒振りが良いですね。貴瀬の再登場も嬉しいところ。
キリング・マシーンも再登場し、ついに精霊の庭が姿を現します。四大元素の精霊王との試練は、まあこれまでの作品で現れた試練からすれば新鮮味こそないけれど、ヒデオが精霊との関係で築き上げた信じ理解し捧げるということが別の形で表れていてよかったかな。
そしてなにより、前回から姿を現した二代目聖魔王にして我らが魔眼王閣下の活躍も嬉しいところ。眼光一つでロシア兵を引かせたり、未来の強化人間を警戒させたりしながら内心ビビっていたりと相変わらず。三柱の精霊たちに振り回されているようで何より。
前回の聖魔杯から五年でしっかり成長していて、ただの引きこもりだったはずが、いまや世界の謎を追うエージェントといった様子。マッケンリーへ啖呵を切ったイラストが悪役そのもの。