2016年4月20日水曜日

ラノベ感想 著・海空りく 『 落第騎士の英雄譚(キャバルリィ)10 』

落第騎士の英雄譚、最新刊第10巻を読んだので感想を。
ステラと一輝の一騎打ちの熱すぎる激闘にその後のシーンまで描かれた怒涛の9巻。まさに第一部完といった手加減出し惜しみなしの一冊が終わってなんだか落第騎士の物語が終わった風情もあった前の巻からしばらく間をおいての最新刊です。
アニメも激熱で素晴らし出来でしたね。
そんな最新刊は新章『ヴァーミリオン皇国編』の導入といった穏やかな一冊でした。
ステラを嫁にもらうために両親に挨拶に行く一輝の苦悩と波乱がメインでした。
国民全体が一つの家族として皇族とかかわるヴァーミリオン皇国、当然、可愛い第二皇女を素直に嫁にくれてやるわけもなく一輝には新しい苦難が、といったお話がほとんど。
ステラが皇族として背負い続けてきた国の姿を見せつつ、一輝が国民や国王に見せた告白は相変わらずかっこよかったですね。
謎だった月影総理の目的は、まあ予想通りというか未来視で見えていた絶望の未来の回避でした。運命を打ち破った一輝の存在に希望を託して、その野望はいい方向についえた感じ。
魔人とは何か、という説明で出てきた日本の魔人。寧々さんも魔人だったのね、というのは少し驚き。比翼への反応を見るに魔人ではないかと思ってました。
ステラの家族に受け入れられ幸せ絶頂の一輝。しかしこの物語が幸せな一輝を完結まで許すわけもなく、物語の終盤は次の戦いの幕開けです。
暁学園の平賀冷泉としてステラと戦った謎の男の正体が登場。人の心を壊すことに執心する≪革命軍≫最悪の魔人、《傀儡王》オル=ゴールがステラの心を壊すために暗躍を始めました。
新キャラの《傀儡王》はまさに『吐き気を催す邪悪』。
心を壊すために体を操って仲間を殺させてその上で死んだ仲間を屍姦させるという、あんまりな初登場シーンを決めてくれました。新キャラの残忍性を出すためだけに命をもてあそばれる使い捨て新キャラたちの哀れさ。作者の都合のためだけに犯されるってのも、嫌な話。
この作者、熱いシーンはどこかで見たような内容でも本当に熱くてかっこいいんですが、この手のシーンがとってつけたようで既視感バリバリでイマイチ。
一人の少女の心を奪うために一国を乗っ取り戦争を始める《傀儡王》のいかれっぷりがどれほど炸裂するか楽しみ。可愛らしい新キャラたちも、苦難を乗り越えた一輝たちもこれから不幸があると思うと気が重いですが、きっとその先はハッピーエンドでしょう。
いまだ未登場の《暴君》に、言及されたアメリカの魔人、一輝の魔人覚醒を見ていたエーデルワイス。まだまだ波乱が続きそうな物語、果たしてステラ対一輝を超える物語が来るのでしょうか。

続きも楽しみにしています。
以上。

2016年4月17日日曜日

原作・城平京 漫画・片瀬茶柴 『 虚構推理 3 』

虚構推理コミカライズ版第三巻を読んだので感想を。
原作小説を読了済み&城平京ファンなので原作ファンの贔屓目ですが、やはりいいコミカライズだと思いました。
この物語における妖怪退治は、『怪異を生み出す論理』と『怪異を打ち消す論理』をぶつけ合う虚構の議論戦ですが、そのルール説明の巻でした。
城平京の本格ミステリと漫画的ギミックが混ざり合った荒唐無稽な虚構推理の物語の根幹である『想像力の怪物』が出現する条件、そしてその倒し方が(漫画にしては台詞量多いけれど)小説より分かりやすかったです。
コミカルで可愛らしく描かれた妖怪変化と、一方不気味な存在として描かれる『想像力の怪物』鋼人七瀬の絵柄の対比。随所に挿入される城平節あふれる台詞が魅力たっぷりに描かれたコマ割り。小説の文章量をメリハリの効いた展開で描いてサクサク進むのに分かりやす編集。と、かなり原作再現度と、コミックとしての魅力のプラスがとてもいい。
エキセントリックな琴子と、彼女と複雑な信頼感で繋がる九朗の関係性が美麗なイラストで表現されると小説とはまた違った面白さがありますね。二人の言葉のやりとりに、表情が加わるだけでより一層キャラの魅力が際立ちます。
ついに本編ラストでは鋼人七瀬の犠牲者が現れ、琴子と九朗は虚構の怪物退治に挑みます。
次の巻かその次で終わるのかな?
原作で描かれた怒涛の『虚構推理』がどう描かれるのか、楽しみです。
とても出来のいいコミカライズなので、迷っている方は是非読みましょう。そして、ガンガンで連載中の城平京原作漫画『天賀井さんは案外ふつう(1) (ガンガンコミックス) 』と城平京小説最新作である講談社タイガ『雨の日も神様と相撲を (講談社タイガ) 』も読みましょう。特に小説最新作は虚構推理と同様、怪異の持つ常識外れのルールを主人公が自らのロジックで挑む青春怪奇なのでオススメです。
され、本格ミステリ大賞も受賞した本作、コミカライズも人気のようですし、次の展開はないのでしょうか。続編が出るのをずっと待っています。

以上。