サイボーグクロちゃんの横内なおき先生が十何年ぶりかのマンガを出すとなれば、クロちゃん世代の人間としては読まざるをえません。
元はpixivで五年くらい前に公開されていたマンガですが、書下ろしこみで単行本化。ナンバリングはされてませんが、売れたら次もでるのかな?
ストーリーは、今時珍しいスペースSFもの。人口増加により管理社会、階級社会となった宇宙船。下層民は人権もなく虐げられ、密航者は見つかり次第殺される。一方上層部の市民は贅沢をして暮らしている。居住権と食糧の配給を得るために密航者を排除する警備員となったガズゥ。しかしガズゥは強靭な肉体と鎧、厳つい見た目とは裏腹に優しいただの鼠だった。ガズゥはこの宇宙を生き残ることができるのか・・・
といった感じ。
非常に面白かった。
一ページ目から宇宙船のデザインが懐かしい。
人はバタバタ死ぬハードな世界で、優しいガズゥがどうにか生きていく姿が健気です。家族のために金を稼がないとならない中で起こる葛藤と、それでも命を救ってしまうあまsが暖かくていいですね。
シンプルで可愛らしいポップなキャラが、死と隣り合わせのハードな世界で生きるミスマッチ感が、クロちゃん時代に子供ながら感じたものとつながります。
シビアな状況下でちらりと挟まれるユーモアが、また横内なおきらしい。
ポーシャが可愛い。
謎はたくさん残されていて、死んだ目の上層部住民とか、謎の超技術星人とか気になる部分が満載。
是非売れて、次が出てほしい。
次があることを願って。
以上。