2015年9月27日日曜日

ラノベ感想 秋田禎信 魔術士オーフェンはぐれ旅 手下編


ふと感想を書こうと思ったら前回のブログ更新からやたら時間が開いていてビックリ。

さて、いよいよオーフェンの第四部も最終巻。寂しいったらありません。
当然面白かった。
ラノベの主人公が、中年になるまで描いてその若き日の決断の結末まで描かれるのはそうそうないと思います。
魔王オーフェンの物語は一つ区切られ、他のキャラクターたちの次の一歩が描かれていました。
絶望が待ち構える世界で、生きていくという事。どうしようもないものばかりでも、微かな希望をつかみ取る姿はやっぱり素晴らしい。オーフェンらしく、結末を描きながらもキャラクターの人生は続いていき、そして明かされないままのものも多く、またの再会を望まずにはいられませんが、かつて終了した作品がまた復活し新たな物語が描かれたその奇跡に感謝。

以下、ネタバレ全開なのでご注意ください。

最終巻ではありますが、タイトルの手下編の通り、物語のメインはマジク・リン。
魔王の弟子として本編を過ごして、その後第四部で現れ頃には、ハーティアの下で少年兵として使いつくされ原大陸で恋人を失った枯れ果てた姿になっていたマジクの第四部後の姿が描かれていました。
最強の力と世界への失望の中で死地を探すような姿で第四部を過ごしていた彼が一歩進む物語でしたが、これが最高だった。
コルゴンのように機能的に動くように見えて、彼のようにはなれないマジクの孤独な姿。
初めて見えた第四部マジクの内心がすごく良かった。オーフェンに憧れて、そこに近づくために生きてきて、しかし愛するものが守れなかった様が切なくて。
そこから向かい合うことをはじめたマジクの笑顔が、是非イラストで見てみたい。その時のクレイリーの顔も。

マジクの物語からの「私の愛したスーパイ」には笑いましたが、最終巻なのになんか普通の無謀編付属プレ短編みたいな物語で、他になかったのかと思ってもみたり。しかし、描かれてこなかった知人兄弟とマリアベルが登場したのは嬉しかったり

何より素敵だと思ったのはラストの『エピローグ』。
レティシャとフォルテの夫婦の話。次世代のはぐれ者となった二人の両親の夫婦喧嘩。
秋田禎信節の夫婦喧嘩と家族への愛が静かに物語の幕を降ろしてくれました。

なんとも名残惜しく、キャプテン・キースとか描かれていないもろもろも見たかったり、第三部書いてくれないかなと思ってみたりもしますが、これにて第四部は終幕。大変楽しませていただきました。

以上。