2015年2月1日日曜日

読書感想 - カート・ヴォネガット 『タイタンの妖女』 -

タイタンの妖女 カート・ヴォネガット

ある日唐突にSFファンになろう、と思いぽつぽつ手に取った中の一つであるスローターハウス5を読んで大感動し、思わず手に取った。
淡々と、ゆっくりナンセンスなユーモアと不条理な展開が続いていく。退屈ではないが、さほど引き込まれない序盤。
しかし火星から地球に船団が旅立つあたりから展開が動き始め、このわけのわからない物語はどんな結末を迎えるのか気になってくる。
ウィンストン・ナイルス・ラムファードの目的がわかりはじめたあたりから引き込まれて一気に読んだ。
超然とした4次元の存在であるラムファードが人間性を見せるサロとの訣別、アンクとの別れはグッとくるものがあった。

美しいシーンが多かった。”すべてはたいそう悲しかった。しかしすべてはたいそう美しかった” ”単時的な意味でさようなら”

操られていることに反発し自由意思を手に入れるために戦う少年漫画的動きではなく、どうしようもないことだらけだけど、それでも人に意志があるのだという愛のある結末が美しかった。

やっぱり、ヴォネガットはいいなと感じる。

巻末の爆笑問題太田光の解説もよかった。きちんと解説してる解説は意外と少なかったりするので、こういった、ライトなSFファンかSF初心者でも入りやすい解説はありがたい。

次はまた別のヴォネガットと、別のSFを読もうと思う。