シリーズ3巻。いいペースでずっと出てくれるので野村美月作品はシリーズを追いやすくて助かります。
マイフェアレディを成功させ、役者としての人気をつけた詩也は学園内に複数存在する演劇部からファン投票で選ばれた役者で舞台を行う文化祭公演の出演者に選ばれる。演目は「とりかえばや」。美しい学園の名女優達に圧倒されながら、詩也は新たな役に挑む。
永遠に続く人生を生きる苦痛、思いを寄せる綾音との関係に悩み芝居に身が入らない詩也。苦悩する詩也の姿に、苦痛を理解できないことに心痛める綾音。そんな二人の間に、吸血鬼の澪が現れる。
なんだか演劇版文学少女になってきた。
謎解きの結末も二人の恋模様もただただ切なくてたまらない。
永遠の愛を誓った二人に訪れた永遠の終わりの儚さと、それでもその愛は確かに存在したという記憶の大切さ。互いが許し合う結末は切なくとも純粋な、また別の姿の永遠の愛で美しかった。
永遠の愛の一つの姿に出会った詩也の選択は確実に誤っているわけで、果たして彼がどうなってしまうのか。もどかしくてしょうがない。
そしてシリアスな物語の中で、偲がかわいかった。宝塚チックな演劇部の王子様として舞台でも学園でも男役を演じ続ける彼女の初恋の姿が、ベタと言えばベタなんですがすげーよかった。
次もその次も、出ることは決まっているようなので、楽しみにしています。
最近ガンガン本が出ているので、いちファンとして追いかけ続けたいと思います。