2014年12月26日金曜日

2014年観劇記録まとめ

今年はもう芝居を観に行く予定もないので来年以降の観劇のために、2014年観た劇の記録をしておく。
生来の出不精とオタク趣味の金欠で、wowowばかりで芝居を見る日々が続くが、今年は月に一度ほど出かけていた気がする。
観たらブログに記録、としたいが筆不精で半分くらい感想を書かなかった。ので、列挙しつつ感想も記録する。古い感想を自分で眺めると自分の変化が見えていい。単純な話、いつの間に好き嫌いが変っていたり、浅い意見だなと自分の感想に思ったり。

  • 錬金術師 (演劇集団 円)
    • ベン・ジョンソン作の傑作喜劇をリングに演劇集団円のベストメンバーvs演出家鈴木勝秀という激闘。スゲー面白かった。
    • シェイクスピアイヤーだったが、同時代のベンジョンソンもいいものだなと知る。
    • 大ベテラン・実力者ぞろいで喜劇を作るとこんなにすごいのかと圧倒された。
  • 時をかける稽古場 (アガリスクエンターテイメント)
    • ナイゲンで惚れたアガリスクを観劇。
    • 芝居の技巧・演出のセンスが抒情や感覚ではなくロジックに訴える方向に強く向いている劇団だが、それが時間SFと馬鹿馬鹿しいシチュエーションコメディのあわせ技とまんまと噛み合ってとても面白かった。
    • 狭い劇場と客席、近い距離感が、閉鎖空間である稽古場と噛み合って、舞台観てる感が強く、生でみてよかったと思えるコメディだった。笑えた。
    • ナイゲンの持つ作家の感情のトロ、みたいな部分が欠けていたためかコントよりになってしまっていた感じかな?
  • 鎌塚氏、振り下ろす
    • 倉持裕作品を観劇したい、片桐仁を生で見たことがなかった。という動機で観に行った。
    • 生片桐仁はインパクト抜群。
    • 鎌塚氏を演じる三宅さんの芝居にやられた。
    • 舞台セット含めてとにかく笑いとエンタメに満ちていてよかった。
  • ビルのゲーツ (ヨーロッパ企画)
    • 鎌塚氏で火のついた「本多劇場でコメディ観たい」欲と有名なのに観たことがなかった、という動機で観た。
    • 扉開いたら階段、という序盤のネタが一番面白かった。
    • 全体的に大きな会場で観ても面白くないんじゃなかろうかと思った作品。
    • 要所要所笑えたが、楽しみきれなかった。特にスクリーンに映したスライド形式がつまらなかった。ラストも、あれはベタだけど嫌い。
  • 近未来能 天鼓 (文学座)
    • なんだか変わったことをしようとしてるのか? と興味を抱いて観た。
    • 紀伊國屋ホールは好き。駅から割と近いし、紀伊國屋で時間をつぶせるのもいい。
    • 内容は古臭い陰謀論、展開はありきたりでイマイチだった。
    • 演出面ではプロジェクションマッピング系の映像演出がややチープ。
    • 能に寄せた部分があったがさほど寄り切ってもおらず、中途半端な印象を受けた。
    • 俳優は主人公である親子が良かった。間抜けな下っ端役もよかった。
      • 歌と太鼓は素晴らしかった。
  • 一軒の家・一本の樹・一人の息子 (山の羊舎)
    • 別役実が好きなので一年に一度くらいどこか観に行っている。
    • 「メリーさんのひつじ」に感動して別役実作品に惚れたので、そのメンバがそろっている山の羊舎はマスト観劇劇団。
    • 暗く重苦しい舞台演出で拡がる不条理な喜劇は、馬鹿馬鹿しさが薄れ気味悪さが引き立っている感じがする。
    • そして不条理劇でありながら現実の不条理さがそれを追い越していることが劇の描くテーマをより深彫りしていてなんとも言えなくなった。
    • ちょっと暗すぎた感じもする。
  • 第39回名作劇場 『母の死』『大臣候補』 (シアターχ 日本近・現代秀作短編劇シリーズ)
    • 友人に誘われて観劇。一人も知っている役者がおらず、割とミーハー気分で芝居を観るライトな演劇ファンである身としてはどうやってこういった芝居を見つけるのか気になる。
    • 初めて存在を知った劇場だったが、劇内は満員だった。
    • 古い戯曲なせいか演出や舞台セットも古め、観ていて昔の映像のようだった。役者もベテランなのか古い芝居の感じ。中尾彬的。
    • 『母の死』は人間の性のどうしようもなさを描いていて内容は好みだったが、芝居がなんだかちぐはぐでイマイチだった。だが、こういった説明しない部分が多いのにきちんと一つの世界になっているタイプの劇は好き。
    • 『大臣候補』はコッテコテの喜劇。バカな中年男が複数の才媛に振り回される話。こっちも古いコントって感じだった。笑えた。主役の軽妙な芝居で劇場が見事掴まれていた印象。
    • ラストが演出的にイマイチしまらなかった感じ。
    • 女性の権利が高まり地位権力に固執する男の滑稽さを喜劇で風刺しているが、現代はそこから少しだけ変わっていてその「少し」が劇を通して見えて面白い。
    • 土地柄か客層か、劇中の物音が普通にガサガサやっていて驚いた。
  • 黄金のコメディフェスティバル グーチーム(アガリスクエンターテイメント、バンタムクラスステージ)
    • コメフェス。駅からバカみたいに遠かった。
    • 全部行きたかったが都合がつかずなくなくグーチームだけ観劇。
    • 最優秀脚本だけあって、ロジックがかっちりはまりアガリスクはとにかく笑えた。
      • 津和野さんの面白さ、矢吹ジャンプさんのファルスコメディが際立っていた。
      • ロジックは強いが、ジャンルの縛りが強くそのルールが前に出すぎて独創性や勢いに欠けていた。また、芝居のうまさはやはりイマイチ。
        • SFとシチュエーションコメディってこういうものって縛りがジャンル的に強いけれど、どちらもその枠のルールを守りつつ使い古された部分をかわすのが難しい。
      • 最後の過去の彼女とのケリのつけ方は好み。
    • 初観劇のバンタムクラスステージはなかなか良かった。
      • いかんせん笑いがイマイチ。
      • 劇中のネタ、若手の方が思いっきりパンクブーブーのネタをぱくっていた気がする。
      • ベテランのつまらない芸人役の早田さんがよかった。また落語の師匠役も。
      • マネージャー役の六番シードの役者さんが際立ってコメディを担っていたが、それ以外の部分、コメディとして設定されたすれ違い会話なんかはイマイチ空回り。
      • その分ソリッドな、芸の道を進む人間のプライドと友情を描いた部分はかなり面白かった。舞台装置もうまく使っていたように思う。
    • 最優秀は二連覇のPMC野郎。
      • まあそうだろうな、と最初から思っていた通りというか。
      • テレビ放映は観たが、面白かった。
        • 二月の公演『独りぼっちのブルースレッドフィールド』は必ず行こうと誓っている(自分に)
  • 社長吸血記 (NYLON100℃)
    • 今年一番はこれだったかもしれない。
    • とにかく不条理で、残酷で、コミカル。そして演出はカッコいい
    • プロジェクションマッピングがキチンと使われてるのって意外と少ない気がする。
    • 結局何だったのか整理はつかないが、とにかく面白かった。
  • 夕空はれて~かきくうきゃく~ 
    • 青山円形劇場
    • 別役実新作ということですぐチケットを手に入れていたが残念ながら新作は中止。
    • しかし青山円形劇場のラスト、そして円形劇場サイズの劇場で観たい役者ばかりだったので見に行った。
    • 仲村トオルさんの魅力に痺れた。
    • 円形であることを生かした演出の見事さが、この劇場が消えることをより残念にさせる。
    • 救いのない不条理な世界を見せつけて打ちのめされた後に劇場を出れば、子供たちが楽しげに遊んでいた。青山円形劇場は素晴らしい。
来年はもっと増やしていきたいが、どうにも難しそうだ。しかし今年くらいの頻度での観劇は継続した。一方で劇場に通うなら映画館にも通いたいなとも思い始め、重ねて映画舞台系の教養も深めたいという欲求が芽生え始めた。
黄金のコメディフェスティバルから小劇場という世界が気になりつつあるので、そちらを攻めてみたいとも思いつつ、のんびりやっていこう。

来年もいいラノベ、いい映画、いい舞台に出会いたい。

以上。

漫画感想 - 高津カリノ WORKING!! 13巻(最終巻) -

WORKING!!15巻(最終巻)を読みました。
長かった連載もついにラスト。WEBのWORKINGが終わってからも結構たってますね。
そちらに続きこちらのワーキングも大団円の終了となりました。
どのキャラもどのカップルもキチンと順序良く関係の終わりを迎えた幸せな結末だったと思います。
くっつきそうでくっつかないままずいぶん経った小鳥遊君と伊波さんもやっと告白までこぎつけました。
特に好印象だったのは告白後の日常をそれなりに書いてくれたこと。佐藤君と八千代カップルなんかは主人公の前に付き合い始めていたのでその次まで進めた感じ。なかなかラブコメでこのくらいまでやってくれることもないのでとてもよかった。
ラスボスは小鳥遊母、若き日の小鳥遊父のイケメンっぷりと小鳥遊母の可愛さがよかったですね。そして種島先輩を使ったオチのつけ方もよかった。
山田と相馬、松本さんと山田兄の今後に期待しつつ、幸せな未来が続くであろうワーキング世界を楽しませてもらえたことに感謝。
いい漫画でした。

アニメ3期は原作ラストまでやってくれるんでしょうか? 期待します。
同時に出た新シリーズも今後が楽しみな感じ。
以上。

2014年12月23日火曜日

漫画感想 - 和月信宏 『 エンバーミング 9 』 -

エンバーミングの最新9巻を読んだので感想を。
るろうに剣心の映画に伴う休載なんかもありつつの最新刊。
前回から引き続き対死体卿。
タイガーリリィをついに追い詰めたジョンドゥとアバーライン。Dr.リヒターと再会を果たしたアシュヒト。両者はどうなるのか? といった第九巻。
今回もなかなか面白かった。
バトルは、前回のジョンvsウンゲホイヤーのような派手なものはないものの、ジョンとタイガーリリィの決着戦はよかった。
生き様と生き様の決着ってのは、和月先生の漫画にずっと続く姿なんですが、ここんところが好きで和月先生の漫画を読み続けている感があります。
騙されようと利用されようと、それでもその時胸に抱いた思いのために戦うタイガーリリィの姿が悲痛でよかった。最近の絵柄の変化もあって、タイガーリリィの泣き顔がとてもいい。愛らしく悲痛で。
相変わらずのアバーラインのジョンブルっぷりとジョンの男気もよかった。
一方、旅の一つの終点を迎えた感があるアシュヒト。
父ゲバルトとの邂逅によってこれまで目を逸らしてきた父と母との関係、フランケンシュタインとの関係、そして死んだエルムへの思いを精算した感じ。
本物と偽物、というのはこの手の話に付き物で、どんな答えを出すのかはまあ、少年誌的にわかり切った部分ではあったのですが、それでもアシュヒトの選択とそこに至るエルムの決意には涙腺が。
訣別を選び、それでも自分がフランケンシュタインに関わることを選んだ罪を抱えたまま進むさまは悲劇的ですが、それでこそエンバーミングといったところ。
アシュヒト母の美人っぷりと、それを失ったDrリヒターの狂気。ぶっこわれっぷりが素敵でした。
エンバーミングはこの手のポジティブな狂気が面白い。
そしてラストに登場した死体卿。
真正のサイコパスであり、生まれながらのネクロフィリアの彼とはいったいどんな結末を迎えるのか。非常に楽しみ。
そしてずいぶん物語の外側にいるヒューリー=フラットライナーは終局へ向かっているように見えるこの物語でどんな役割を担うのか?

全体的に大満足の一冊でした。
以上。