2014年6月12日木曜日

演劇感想 Aga-risk Entertainment アガリスクエンターテイメント 『 時をかける稽古場 』

新宿御苑前駅近くのサンモールスタジオにて、先日、平日夜にアガリスクエンターテイメントの公演『時をかける稽古場』を観劇してきたので感想を。
ナイゲンでやや話題になった小劇場劇団『アガリスクエンターテイメント』の最新公演「時をかける稽古場」。
ナイゲンが友人から好評で、youtubeで公開されている2012年版ナイゲンが超面白かったので観てきました。
前回が三谷幸喜の大傑作「12人の優しい日本人」をオマージュする議会モノなら、続く今回の公演は使い古された「タイムスリップもの」さてどうなるかと思ったものの、非常に楽しめました。

平日の夜ながら客入りは八割弱くらい? 流れる時間SFやタイムマシンが登場する歌が流す開演前から、ベタなSFや劇団モノの芝居をやる恥ずかしさに対する開き直りみたいなものが見えたり(特にOP映像の音楽)。
平日だからか劇団やキャストの方の関係者が多かったのか、それとも距離の近い劇団なのか、閉幕後のロビーは役者の方々の周りに他のお客さんが集まって混雑。その間をぬってそそくさと退場。階段の前にいたキャストの方に「面白かった」と一言告げるのになぜか照れてしまった。

SF設定自体は使い古された設定そのままで、タイムパラドックスからSF的小道具まで一切真新しい点はないものの、そのベタな設定を舞台上で表現しきることで描かれるコメディは最高!
小劇場演劇の持つ役者の熱とタイムスリップが上手く重なった結果現れる喜劇は、最初から最後までひたすら楽しめて、明るくなれる、そしてやっぱり演劇はいいなと思わせる超おもしろい物でした。

15日までやっているようなので、お時間のある方は是非観たらいいと思います。
以下はネタバレ全開なのでご注意を。
観に行って一晩たった興奮のまま書いているので滅茶苦茶ですが、観劇の興奮のせいってことで。

2014年6月5日木曜日

内藤泰弘 - 『血界戦線 (9) - 鰓呼吸ブルース -』 -

内藤泰弘先生の血界戦線の9巻-鰓呼吸ブルース-を読んだので感想を。
アニメ化決定! ということで、いい作品になったらいいなと思います。
今回はツェッドが大変な目にあって自分の食い扶持を稼ぎ始める『鰓呼吸ブルース』の前後編と、K・Kの波乱の授業参観を描いた『BRATATAT MOM』の三本。
今回も相変わらず面白かった。
いつも通りの不条理な世界と果敢に挑む人間のストーリー。

ザップとツェッドの兄弟弟子の絆は相変わらず。怒ったチェインが素敵でした。
レオがすっかり仲間意識を持って、いい感じ。
クラウスの出番が少なくて残念。

特に血界の血族の不思議な切なさが薫るラスト(+子供たちの強かさ)が印象的な『BRATATAT MOM』が素敵。
初登場のK・Kの旦那さん。出てくるとは思わず驚き。普通にいい人でした。

ライブラメンバの背景を描くストーリーって、あと誰が残っているんだろう?
大きなストーリーの流れってのはないのですが、メンバーの背景が出きったら動いたりするんだろうか?

ラノベ感想 - 野村美月 『 吸血鬼になった君は永遠の愛をはじめる (1) 』 -

ヒカルが地球にいたころ...シリーズが完結した野村美月竹岡美穂コンビの新シリーズ、『吸血鬼になった君は永遠の愛をはじめる』の一巻を読んだので感想を。
ネタバレが含まれるので気をつけてください。

ヒカル~で最高の完結を見せてくれた野村美月先生の最新刊は王道の吸血鬼もの。

バスケ命の高校生原田詩也は通り魔に襲われる。致命傷を負う彼は、突然現れた少女の手で吸血鬼となって・・・
転校した詩也はある日、背の高い少女に出会い、ひょんなことから演劇部に入ることになる。彼に与えられた役は、吸血鬼役で・・・?

主人公の悩みなんかも、いかにも王道吸血鬼的な永遠の命にかかわるモノ。
しかしそこは野村美月先生。思春期の少年少女の悩みと恋がそこに加わることで、最高の青春ものとなっていました。
以下ネタバレがあるので未読の方はご注意を。


吸血鬼になり人間を超える身体能力を得たことで、努力無く勝利できてしまうバスケへの情熱を失い、死を望む詩也が、演劇部の少女綾音と出会い演劇の世界に入っていくことで得る救いは非常に野村美月らしいというか。
部活モノの話としても王道で、青春モノとしても王道で、とにかくすがすがしい。不死の呪いにかかった詩也と、背の高さゆえに大好きな演劇で役に恵まれなかった綾音の出会いと、それによってお互いがお互いを救い合う姿がまさに青春恋愛物の王道。

個人的には演劇好きということもあり、設定はかなり好み。スポーツマンの詩也が演劇に目覚めていくシーンは、演劇好きとしてかなり胸をうたれました。

とにかくヒロインの綾音がかわいい。
野村美月作品としては久しぶりの巨乳ヒロインで、とにかく可愛い。魔性のエロスで巨乳で優しくて先輩って、まさにラノベのヒロイン的な記号にあふれているのだけど、そこに野村美月のカラーが加わることで割と王道の中でも人間味があっていい。

次も楽しみ。
来月はまた新作を読ませてくれるようで、楽しみにしてます。
以上。

2014年6月1日日曜日

舞台感想 演劇集団 円 『錬金術師』

東京芸術劇場シアターウェストで演劇集団円の『錬金術師』を観てきました。
アニメファン的には人気声優の朴路美さんがメインで出ていることもあり、演劇ファン的には人気演出家の鈴木勝秀演出+円のベストメンバー勢揃いの公演であることもあり、非常に楽しみでした。
チケットは全日程完売。出演者が出演者なだけありますね。ギリギリでとったチケットは壁際に設置された舞台からそっぽ向いた席で場所的にはイマイチ。上から役者たちはよくみえたものの、役者の視線が舞台正面に向くためなんだか覗き見している気分。

ポスターがなんだかおもしろい。骸骨の物々しさと顔文字が馬鹿馬鹿しくてこの作品そのもの。

劇場には橋爪功さん宛の大量の花と、朴路美さん宛の大量の花。綺麗でいい劇場でした。
シェイクスピアと同時代に大きな評価を得たベン・ジョンソンの最高傑作の『錬金術師』に素晴らしい演出と名優たちの作り出した世界は最高でした。
前向上にあるように、ひたすらバカでアホウなコメディ。古典的なハイテンション喜劇で、目まぐるしく変わる音楽とこってこての喜劇演出、そして出演者の力強く生命力にあふれた典型的喜劇演技からつくられる喜劇の世界はひたすら劇場を笑いにつつんでいました。

阿呆だらけの舞台を通してひたすらに提供される笑いの中で、当時の社会背景、人間のエゴ、生命力、そしてそれらの滑稽さと愛おしさがあふれて笑う中で胸に何かを満たされました。

舞台は喜劇であるものの、前口上で我々は役者だと宣言し、最後に役者としての台詞を登場人物に語らせることでメタ的な構造にしつつ、冒頭とラストの退廃した世界観の中で語られる人間賛歌のようなセリフが印象的。

何よりも橋爪功の良さ。年齢を感じさせない軽妙洒脱な演技。何をしても綺麗に笑いを作り、七変化の演技。巧みな大ベテランの大技を見せられました。

楽しかった。久しぶりに台本とパンフレットを買ってしまった。

さすがは円という凄まじい舞台でした。
面白かった!
以上。

ラノベ感想 秋田禎信 魔術士オーフェンはぐれ旅 女神未来(下) 最終巻

魔術士オーフェン第四部最終巻、女神未来の下巻を読んだので感想を。
オーフェンにはあまりに思い入れが強すぎて、冷静な作品批評としての感想は書けませんが。

最高の完結でした。
前シリーズのラストと符合するキャラの配置、状況の配置の中で、かつてはぐれ魔術士だったオーフェンと新たなはぐれ魔術士たちのたどり着く前とは異なる完結は、長いシリーズのラストにふさわしい終わり方でした。
相変わらず限定版より通常版の方がいい表紙の気がします。一応毎回限定版を買っていますが、表紙はいつも通常版のが好み。アニメイトで買えば通常版の表紙カバーももらえるのでいいけれど。

ネタバレ全開なので、未読の方はご注意を。