2013年6月26日水曜日

雑記 しずるさんシリーズ再スタート?


上遠野浩平著のしずるさんシリーズが星海社から出るらしい。
ってことはもう富士見からはでないってことか。
でもって表紙が発表されたけど、これはちょっとなー。
ナイトウォッチシリーズも、現代のラノベに寄せすぎてSF臭が薄れていたけれど。
前のがあまりに精緻で、上遠野浩平の文章の不気味さと美しさをさらに強調するものだっただけに今回のこの、同人エロゲみたいな画風はちょっち違うんじゃなかろうか。
まあ、それでも未単行本化のドラゴンマガジンに載った短編が収録された新刊が発売されたら買うのだけれど。
ところでなぜ、星海社からの再発売はカバーが変るのだろう?
権利関係の問題?
エンペロイダーも変わったな、そういえば。
さて、上遠野浩平の新作は、次はどのシリーズが来るのだろう?

ラノベ感想 - 築地 俊彦 『 まぶらほ~さいごのメイドの巻 』 -

一時は平均120PVを超えたこのblogも気づけば一日10前後のアクセス数になりました。
富士見ファンタジア文庫の長期シリーズ、まぶらほの人気番外編の完結編、さいごのメイドの巻を読みましたので感想を。
メイドさんを愛好する世界的秘密結社MMMとそこに所属するメイド、彼らから理想のご主人様だと判断され狙われる式森和樹と彼の恋人を自称する宮間夕菜の戦いの日々を描いた仮装(仮想)戦記モノライトノベル。
仮想戦記モノってのは、ファンタジー自体が減少しっぱなしのラノベ界隈ではとても貴重でした。
富士見でも、というかラノベ全体で見てもかなりの長期シリーズであるまぶらほ、そのメイドの巻シリーズがついに完結。ということで喜びいさんで購入。
やや駆け足ながら、満足いく結末だったのではないでしょうか?
メイドブームが本格的に始まるより前にスタートした作品でしたか? そんな時代の作品もここに完結。少しさみしいか。
以下、ネタバレへの配慮はしていませんので、御嫌な方は回避。

2013年6月25日火曜日

漫画感想 - 椿 いづみ 『月刊少女野崎くん 3巻』 -


ガンガンオンライン連載、椿いづみ先生の月刊少女野崎くんの3巻を読みましたので感想を。
アニメイトで買ったらブックカバーがついてきました。御子柴が表紙の花柄カバー。まるで恋愛少女漫画のようないいでざいんですが、花柄がくどいのはきっと御子柴君が書いたからでしょう。

ドラマCDまで発売が決まって、これはもうこのまま売れればアニメ化ですね。
この空気感がアニメででるのかっつーと微妙ですが。
横長一ページ埋め四コマの形態をうまく生かした画面作りと日常系とは異なる、パンチのそこそこあるギャグなので大画面な小回りの割に満足感は多め。

ガンガンオンラインは創刊から追いかけていて、これは初回から読んでいますが、相変わらずクオリティが下がることなくギャグを見せてくれるのでいいですね。
この手の、恋愛をきっかけにしつつ、男女カップルを出しつつ、しかし本筋を動かさずにギャグで続ける漫画は、ある意味で本筋の恋愛が進みだしたら終わるのかな、みたいな嫌なパターン認識がありますが、今回も別にそこは問題なし。
帯にある『恋に無自覚なバカップルばっか』ってのはまさにこの漫画を現す言葉?
と思いつつなんだか違和感がある。
主役の野崎くんと佐倉が一番カップル感が薄いからか?
今回は漫画家ネタ少な目、野崎&佐倉以外にも多くのスポットが当たる一冊。
前野と宮前がメインになる大人回や都ゆかり回に瀬尾と若松のデート、演劇回にバレンタインデー
と、少女漫画家の少女漫画へのセルフパロディ、みたいなものは減り、学園日常ギャグといったところか。

バレンタインデーが残念な感じなのは、この作品らしい。
今回はやたら瀬尾と若松がいい感じで、この全くのかみ合わなさがいいですね。瀬尾はかなり気にかけてるけど。演劇部コンビのお互いを尊敬しているのもいいですが。瀬尾組が一番好き。
今回一番笑ったのは、合コンだろうか。それと、野崎くんが背景は書けないし配置も作れない、キャラしかかけないって話。

もともと行き過ぎた少女漫画絵ではないから、少年漫画自体美少年でまくりってのもあって、むしろこのくらいの絵柄は全方位適応可能なのかな。ネタもいいし、だから売れるのか。

連載を追いかけていますが、一気に読むと笑いが大きな波になってより楽しめますね。
画面で読んで紙で読むってのも、いいものです。
次も楽しみ。
以上。

2013年6月22日土曜日

舞台感想 作:三谷幸喜 主演:渡辺謙・段田安則 『ホロヴィッツとの対話』

ずいぶん前ですが、wowowか何かで生放送された舞台を録画していたものを観ました。
三谷幸喜の芸術家をテーマにした三作目。
渡辺謙の久方ぶりの舞台出演。若いころは舞台も多く重ねていた渡辺謙ももはや世界的な映画スターの一人です。
作品のテーマである主人公二人は、世界中に多くのファンや信奉者がいる世界的なピアニスト、イラディミール・ホロヴィッツと、世界で最大の評価を受けるピアノ調律師、フランツ・モア。
ホロヴィッツが段田さん、フランツが渡辺さん。
登場人物はホロヴィッツとフランツと彼らの妻、計四人だけ。
そして舞台は九割方場面転換もなく、フランツの家の一室で展開されます。これはまあ、三谷作品なら珍しくもなんともないことですが。
世紀の天才演奏家であり奇人であるホロヴィッツがフランツの家にディナーに来て、という話。
ディナーが進む中で、奇人であるホロヴィッツと自信家の彼の妻に、彼らとは異なる価値観を持つ庶民であるフランツと彼の妻エリザベスが振り回される、というコメディ。
シリアスなポイントはあり、そこにいたるための彼らのドラマはあるものの、話の大部分はこの価値観の相違と立場の違いに振り回されるエリザベスとホロヴィッツと妻の板挟みにあるフランツの苦悩で構成されています。

三谷幸喜がよく描く男の友情が今作でも描かれています。
稀代の変人であり、老人でありながら子供のように繊細で我儘なホロヴィッツと、彼のピアノを長く調律しているパートナーであるフランツのコンビ。
好き嫌いが多く、我儘で、めちゃくちゃな人間でありながら、その天賦の才故に彼を憎むことのできない人のいい信心深いフランツを渡辺謙が好演していました。
彼の演技は少し濃いのですが、そこは舞台ですからぴったり合います。
やはり華がありますね。
段田安則もまた、年老いた我儘な天才を好演。
我儘な天才の我儘な言動を嫌味にならずコミカルに、しかしギャグにまで振り切らないようにバランスよく演じていました。

表舞台で輝く天才と、彼を支える裏舞台の天才。
二人の天才が仕事の場ではなく、プライベートの場で改めてお互いに出会うことで話を始まります。
彼の我儘、彼の妻の我儘、キレる妻、その板挟みにあう夫、とまあいわゆるホームコメディにおける嫁姑的な風情をとったコメディでありました。
全体的に役者の好演が光る一方で、あまり話そのものに魅力はなかったなかと。
史実にのっとったお話で、フランツ・モアは実在して確かに作中出てくるピアニストの調律を担当していますし、ホロヴィッツはとんでもない発言をしたりでいかにもな天才像の人物です。
作品の終盤に明らかになる彼らの娘ソニアについても事実ですね。
その分、それを組み合わせただけ、というか。笑い以外の部分がなんともあっさりしていたかなと思ってしまう。
長さの割にドラマが短いからでしょうか。
後は、天才を支えるという事実があまり大きくなっていなかったこともありますか。
面白かったけど、ちょっとうすかったかなと思いました。
フランツが信心深いエピソードも、私が見逃したからかもしれないけれど、なんともつながりが悪い。
死に落ちってのもね。

最後の炎上する船に救命ボートが一台だけの状況で、ホロヴィッツとフランツの二人のどちらかが救命ボートに乗れるとしたら? の回答はまさに天才と天才のつながりを表現していました。
ここはとても好き。

しかし、ネームバリューによる錯覚は絶対あると思うのですが、渡辺謙はすごい役者ですね。
以上。

2013年6月19日水曜日

ラノベ感想 - 西尾維新 『 暦物語 』 -


暦物語をようやっと読みましたので感想を。

(追記)終物語上巻の感想を書きました。こちら

物語シリーズ最新作。タイトルに名前が入っていても表紙にはなれない阿良々木君は哀れですね。
ですが、一人称は阿良々木暦。主人公の面目躍如で今回は最初から最後まできちんとメインを占めています。
話としては、道をテーマにした短編連作。伏線を広げて終わりへ向かうつなぎの一冊。予告とは異なるこの巻が刊行されたのは、長期になったシリーズのまとめをしたからだったとか。
その言葉通り、完全にこれまでを振り返る内容になっています。
そもそもミステリ畑出身の西尾維新、この巻ではそのミステリの素養を見せてくれます。
短編連作の中でファイナルシーズンで起きている阿良々木暦をめぐる様々な謎に対するさらなる伏線がしかれていきます。
しかし謎ばかり増えてそれ以上の展開がないのでイマイチ面白みが薄い。わるかないんだけどな。ってのはまあ、物語シリーズそのものの感想でもあるのですが。
恋物語がなかなかヒットで、じゃあその後の展開は、と期待していたのですが憑物語がイマイチ。
でもってそろそろ黒幕くらいは明らかになんのかなと思いきや、これまで明かされてきた、何者かが阿良々木暦で何をしようとしているのか、といったところが繰り返されるばかり。
なんとも蛇足な一冊でした。
以下、思い切りネタバレしますのでご注意を。

2013年6月14日金曜日

ラノベ感想 - 伏見つかさ 『 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 12(最終巻) 』 -


俺の妹がこんなに可愛いわけがない の最終巻を読みましたので感想を。
こんな昨日のアクセス数が40以下のblogの記事が反映されてサーチにかかりアクセスした方はすでにご存じの通り、賛否両論な最終巻でした。
ちょうど長文タイトルがはやりだす走りの作品で、刊行直後になんとなしに気になってからずっと買って、そのまま早五年?
長く付き合ってきた作品がどんな結末を迎えるのか、さあどうなる、と挑んだ結果がこんな落ちとは。
前の巻でなんとなしに嫌な予感はしていましたがそのままオチがついてしまうとは。

ネタバレ全開で感想を書きますのでご注意を。

2013年6月12日水曜日

マンガ感想 - 内藤泰弘 『血界戦線 7 - マクロの決死圏 -』 -


ついに一日のページビューが10を割った今日この頃。
時間はあれど本が読めず、文字が頭に全く入らず、読書ペースが落ちまくり。どうしたものか。
それとはまったく関係なく、血界戦線の七巻を読みましたので感想を。

トライガンの内藤泰弘の打ち出した新シリーズ『血界戦線』も早七巻。
トライガンとは異なり一話完結の独立したストーリーを進む本作ですが、トライガンの時に見えた一つのテーマ・物語への真摯な姿勢と趣味丸出しのデザインやアクションの展開は両者ともに健在。というか、この手の作家は何があろうとスタイルは変わらない気もしますが。

表紙と内容がリンクしていない本作ですが、ブローディ&ハマーとは違いきちんと表紙の彼は活躍します。
七巻はレオナルドが細菌テロリストに巻き込まれた友人を救うために行動する前後編の『マクロの決死圏』とザップとツェッドがピタゴラスイッチ的に騒動に巻き込まれる『エスケープフロムペインチェインリアクション』の三篇で構築されています。

今回は作者登場のおまけはなく、代わりにマクロの決死圏の事件中事件解決にうってつけのチェインが何をしていたのか、というおまけ書下ろし漫画が追加されています。チェインかわいい。

これまで同様、SF伝奇アクションの名の通りの、漫画だからこその世界観をこれでもかと前面に押し出していて非常に画面を眺めていて楽しめる漫画ですね。
マクロの~では、レオが友人のために東奔西走するネジの事件と似たような感じか。記憶を消すあいつのように、レオと同じくHLでよく生きていけるよなって感じの弱い異界人・リールさんが菌テロリスト(≠細菌テロ)に騙されて無限に体がマッチョ&巨大化するウイルスの触媒とされてしまうお話。
ギガ・ギガフトマシフがついに戦闘にでるかと思いきやあっさり逃げるフトマシフ。もしかしてでかいだけで力はそれほどでもないのかな? いろんな王やブラッドブリードよりは格下ということか。
何もかもを踏みつぶす巨大な力と体を手に入れて、それでもなおその性格からそこからの風景を静謐ではなく孤独だととらえる優しさが、音速猿がなついた原因なんだろうな。別に、リールさんが弱いからではなくて。

エスケープ~ではザップとツェッドが相変わらず喧嘩する話。
犬猿の仲のコンビが手を組むってのはベタでとても好き。
そして二人の回想の中の師匠のあまりの容赦のなさも魅力的でした。師匠の、自分の力への確信と他の存在を下に見る姿勢が徹底していて、超常の存在のいかれっぷりを出しています。
次元怪盗ってのも面白キャラでいいっすね。

今回も面白かった。
が、これまでと同様のコンビと展開でイマイチ新鮮さはなかったかなと。6巻で言えばチェインの仕事が初公開されたり、その前で言えばブラッドブリードが絡む巨大な事件が現れたり。
そういったことはなかったかと。
リール巨大化はHL崩壊の危機だったんだろうけど。彼が王たちにかなうとも思えないし。
そういった意味では、ちょっとテンションとノリはよかったものの軽く済みすぎたのかな。

ところで、ハマーの名前が登場人物紹介にないってのは、彼はライブラの構成員ではないということ?

以上

2013年6月1日土曜日

漫画感想 作画 武中英雄『境界線上のホライゾン Ⅲ』 コミカライズ版

忙しいのでblogを放置していたらPVが80を割りました。そりゃそうだ。
なわけで書きます。漫画版の境界線上のホライゾン第三巻。
表紙は浅間。
はやりの萌え系とは少し離れたややリアル寄りの作画がコミカライズとしてはなかなかマッチしています。
ラノベのコミカライズといえば、灼眼のシャナのマティルダ編のコミカライズが最高なわけですが。
狼と香辛料もなかなか。
全てに共通するのはエロ漫画家、エロ同人作家ってことですかね。まあ、それなりにマイナな雑誌に書いてて同人誌だしてない人もいませんが。このホライゾンコミカライズの方もエロ書きで。
むしろラノベのイラストはそっち系のが似合うのかな。

さて本編は、二巻のラストから続く忠勝の最期。そして三河崩壊と続いて、最後は直政とシロジロの相対戦まで。
かなりの情報量があるホライゾン救出のリスクとメリットについての討論ですが、この辺りはうまいことおさめていたかな、と。
アニメの時も思いましたが、原作が異様に分厚いので失念しがちですが、あれはモノローグと動作の描写に時間を割きすぎているからで、会議討論以外の戦闘部分などは動きとして映像化してしまえばそれほどの量にはならないわけですね。
地摺朱雀の圧倒的な存在感は漫画だからこそ。そしてそれに対抗できるシロジロの異様さもまた、絵があればこそ光るのかも。
三要先生の見せ場である生きる方法を死ぬために悪用しろといった覚えはない云々のシーンと、御広敷の原作全巻通して唯一の見せ場である武蔵の自給率の話がカットされなかったのはかなりありがたい。

全体通して女の子がかわいいのもいいっすね。
特にトーリに胸を触らせる鈴と、宗茂を心配する誾。表紙の浅間も、『私がしてほしいこと』でテンパるとこがいいです。

コミカライズとしてはわりと文句のない出来で、分厚いから読み返すのめんどいなって人にも、絵をつかってもう一度ホラ世界を感じたいって人にもおすすめかと。

さらに書下ろしで武蔵さんが酒井学長をストーキングする短編と川上・稔書下ろしの短編がついて超お得。おすすめ。

―――― 以上。